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マンドリンとマンドロンチェロのための「四季の風景」を出版【追記あり】

この度、マンドリンとマンドロンチェロのための「四季の風景」を出版いたしました。



大阪のフレット楽器ヤマサキ様にてお取り扱いいただいております。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

また、私どもの方にご連絡いただければ、直接ご対応させていただきます。
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以下は、楽譜に掲載した曲目解説です。曲の概要をお知りになる上で、ご参考になれば幸いです。
English

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「四季の風景」について

四季を彩る曲より、「さくらさくら」(日本古謡)、「茶摘」(文部省唱歌)、「里の秋」(海沼實 作曲)、「雪」(文部省唱歌)をメドレーでつづってみました。

春→夏→秋→冬と曲は進み、最後にもう一度、春が巡ってきます。原旋律をそのまま用いているものもあれば、冒頭の「さくらさくら」のように、原曲のイメージを残しつつデフォルメしているものもあります。また、上記の曲以外にも、「虫の声」(文部省唱歌)、「春が来た」(岡野貞一 作曲)、「月の光」(ドビュッシー作曲『ベルガマスク組曲』より)からフレーズを引用し、ちょっとした遊び心を演出してみました。四季折々の風情や趣を慈しむように、また、季節の移ろいを楽しむように演奏していただければ嬉しく思います。

トレモロで演奏する音符を指定していますが、 部分によっては指示にとらわれず、自由な解釈で演奏していただいて構いません。また、演奏速度についても、必ずしも指定通りでなくとも、心地よいと感じるテンポで演奏していただいて構いません。演奏者それぞれが感じる四季を、想うまま表現していただければ幸いです。
 
本作品の完成にあたり、多大なる助言を頂いたマンドリニスト山下顕、山下直美両氏に心から御礼申し上げます。

初演
20121216KJホール(静岡県浜松市)
『時層音楽と音風景』(主催:Contemporary Mandolin Unit STEPS
マンドリン:山下直美 マンドロンチェロ:山下 顕
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マンドリンとマンドロンチェロによるデュオ作品は大変少ないそうです。

私は、ヴァイオリン属では一般的なヴァイオリンとチェロによるデュオを、マンドリン属に置き換えたような感覚で、マンドリンとマンドロンチェロという組み合わせを選択したのですが、マンドリン奏者の方から「珍しい組み合わせ」だと教えていただきました。

改めて調べましたところ、マンドロンチェロのソロ作品や、マンドロンチェロとピアノのための作品は比較的あるようですが、マンドリンとマンドロンチェロのための作品は本当に少ないと知りました。圧倒的にマンドリンとマンドラによるデュオが多いのですね。

その知識と情報の少なさが幸いしてか、このマンドリンとマンドロンチェロのための《四季の風景》は、初演者である山下様によっていろいろな機会に演奏され、多くの方々に興味を持っていただきました。そして、ぜひマンドリン界に新たな風を!と請われ(おだてられ?笑)、この度、出版と相成りました。

マンドリン関係者の皆様(また、そうでない方でも)、ぜひ、一度お試しいただき、ご意見、ご感想、アドバイス等々、いただければ嬉しく思います。

↓は、この曲の冒頭部分です。ご参考にしてください。


ところで、Facebook 上で、この作品の初演者の山下直美さんに情報をアップして頂いたところ、何と!オランダの方から早速ご注文を戴きました。

楽譜は音楽用語以外、解説や演奏指示などを日本語で書いておりましたので、それらを英訳し、PDFにしてメール添付にてお送りしました。

SNSを通じて、日本のみならず、海外の方々とも簡単に繋がり合う便利な世の中になったものですね!

また、今年2017年4月には、福岡マンドリンオーケストラさんの「ホームコンサート」でも演奏していただいたようです。ありがとうございました!
福岡マンドリンオーケストラ「2017ホームコンサート」

↑英語版《四季の風景》Landscapes of the Four Seasons 


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