来る5月4日(土)、三重県鈴鹿市「鈴鹿ふれあいホール」で行われる「第4回アンサンブルの集い」(主催:三重県ギター・マンドリン連盟)で、拙作のマンドリン作品を演奏していただくことになりました。
演奏曲は、
♪風、海、そして・・・空 〜マンドリンとギターのための〜
♪四季の風景 〜マンドリンとマンドロンチェロのための〜
♪木霊 〜マンドリンとマンドロンチェロのための〜
の3曲。
山下直美さん(mandolin)、山下顕さん(guitar, mandoloncello)による演奏です。
《風、海・・・》は、静岡県焼津市を舞台とした演劇のテーマ曲を、マンドリンとギターのために改編したものです。作曲にあたっては、焼津市を訪れて市内を散策。その時感じた風の心地よさ、海(波)の音、空の青さなどを表現してみました。
舞台作品としては、オーケストラ用に書いたものですが、マンドリンとギターに編曲してみると、より港町・焼津の素朴さが感じられ、我ながら気に入っています。
《四季の風景》は、お馴染みの四季折々の曲をメドレーで繋いだもの。1曲丸ごとのみならず、ある曲のフレーズの断片もところどころ含まれているので、「さて、どんな曲がいくつ出てくるか?」と、玉手箱のようにお楽しみいただけます。
日本の曲だけではありませんよー。なんと、ドビュッシーの曲まで「ちょっとだけ」出てきます。
《木霊》は、芭蕉の有名な句『閑かさや岩にしみ入る蝉の声』が詠まれたことで知られる山形の立石寺(通称:山寺)を訪れた際の印象を曲にしたものです。いわゆる、バリバリの現代曲。マンドリン作品では、あまり見かけない作風だと自負しています。
この曲は、もとはマリンバ・ソロ作品として作曲したのですが、昨年12月にマンドリン作品を発表する演奏会を行うことになり、急遽、マンドリンとマンドロンチェロ用に改編しました。予想以上に良い雰囲気に仕上がり、以来、いろいろな機会に演奏していただいております。
ところで、私は昨年からマンドリン作品を手がけ始めたばかりで、まだマンドリンのこと、マンドリン作品のことなど良く知らなかったのですが、どうやら、マンドリンとマンドロンチェロの組み合わせは珍しいようです。
マンドリン属の楽器として、マンドラ、マンドロンチェロ、とヴァイオリン属におけるヴィオラ、チェロに相当する、音域がより低いものがあります。「ヴァイオリン&チェロ」という、弦楽器ではごく当たり前の組み合わせの感覚で、「マンドリン&マンドロンチェロ」を選択したのですが、マンドリン作品には、「マンドリン&マンドラ」あるいは「マンドリン&ギター」の組み合わせのものが多いようです。
確かに、マンドリン&マンドラに比べ、マンドリン&マンドロンチェロの組み合わせは、両者の音色が、やや「離れて」いるように感じるので、アンサンブルする上で(作曲的には「アンサンブルを組み立てる上で」)難しいのかもしれません。
しかも、マンドロンチェロは、マンドラより低音域が増4度分(ド〜ファ♯)多いだけなので、マンドラで、ほとんどマンドロンチェロの音域をカバーできます。ならば、マンドリンと音色が近く、調弦が1オクターブ下(つまり、左手ポジション取りが同じになる)のマンドラの方が取り組みやすく、相方として好まれる理由なのかな?
マンドリン&ギターの組み合わせでは、ギターが伴奏パートに徹することで、音色的にも、立ち位置的にも、マンドリンを底から支え、包み込む役割をしています。両者の役割り分担が明確な分、作品も創りやすいのでしょう。
マンドリン&マンドロンチェロによる曲は、ある意味、先入観なく創ってしまったことになります。
この楽器の組み合わせで納得のいく仕上がりになるまで、時間が掛かかりました。しかし、演奏者といろいろ検討する時間を持ったかいあって、特に《木霊》は、予想以上の出来映えになったと思います。
コメント
コメントを投稿