混声四部合唱のための作品《ぼくたちは水》を紹介します。
作品は、2011年11月23日、三重大学合唱団の皆さんにより、四日市総合会館にて初演されました。
初演を迎えるにあたって、三重大学合唱団の練習場を訪問し、学生の皆さんと、詩に込められた「水自身が語る素直な気持ち」の表現について細部にわたって意見交換を行い、より完成度の高い仕上がりへを目指していきました。その時の様子が、同大学合唱団のブログに掲載されていますので、ご覧下さい。↓
【作曲家さんがやってきた】
作曲の依頼を受けて、一人称「ぼくたち」として語られている「水」の喜び、悲しみ、怒りなどの感情を、どのように曲として表現するかをじっくりと考えまていました。また、ピアノ伴奏には、水滴、水の流れ、小川のせせらぎ、水しぶきなど、水に関わる音の風景や、水の持つおおらかさ、清らかさなどがイメージできるようなフィギュレーションを取り入れようと色々と思い巡らせていました。
しかし、この作品の仕上げに取り掛かっていたまさにその時、東日本大震災が発生しました。
テレビのニュース番組などで津波の恐ろしさを目の当たりにし、ショックで作曲が手につかない状態がしばらく続きました。水は生命にとって欠くことのできないものである反面、圧倒的な破壊力ですべてを奪い取ってしまう。そんな水の曲を書いていていいのか!書けない!と。
そんな葛藤がありながらも、この曲が出来上がるのを楽しみに待っている人たちがいる、と再度、気持ちを奮い立たせて何とか書き上げることができました。ですので、この作品を聴く度に、「今、生きていることを大切にしよう」「小さな存在だけれど、何か世の中のためになることを考えよう」などと考えた当時のことを思い出します。
この作品は、手回しオルゴールのための曲としてもアレンジされています。
【オルゴールの曲を創りました】
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